2013年5月22日フルウェル容量とは、各ピクセルが収容できる検出信号量であり、カメラが飽和に達する前に検出できる最も明るい信号を決定します。ピクセルウェルが満たされて飽和状態になると、そのピクセルの輝度は正確に記録されなくなります。高いフルウェル容量は、広いダイナミックレンジを必要とするアプリケーションにおいて有利です。
図1は、フルウェル容量とダイナミックレンジの関係を視覚的に示しています。図1A：フルウェル容量が低いと、画像では明るい信号の情報が失われます。図1B：フルウェル容量が高いと、画像は弱い信号から明るい信号まで十分な情報を取得します。
画像の露光中に光子が検出されると、シリコン内で電子が放出され、読み出されるまでピクセルウェルに蓄えられます。ピクセルには、物理的に記憶容量がいっぱいになるか、デジタル画像のグレースケール値が最大に達する前に、蓄えることができる電子の最大数があります。理想的には、このようなことが起きないように露光時間と光レベルを設定する必要があります。ただし、高信号と低信号の両方が同じ画像に現れる場合、低い露光時間や低い照明光レベルを使用すると、ノイズが弱い信号に干渉するため、画像の暗い部分で意味のある検出や測定を行うには信号が低すぎる可能性があります。フルウェル容量が大きいほど、高い信号を飽和させることなく、暗い信号を検出するための露光時間や光レベルを長くすることができます。ダイナミック レンジの詳細については、「ダイナミック レンジ」用語集のセクションを参照してください。
低照度環境でのみ作業する場合、またはダイナミックレンジが撮影においてそれほど重要でない場合は、理想的なカメラパラメータを決定する上で、フルウェル容量はそれほど重要ではありません。カメラによっては、複数の読み出しオプションとモードを備え、異なるフレームレート、ノイズ特性、フルウェル容量を提供するものもあります。これらのカメラでは、利用可能なフルウェル容量を減らすことでカメラのフレームレートを向上させるトレードオフがしばしば可能であり、高速かつ低照度での撮影シナリオに最適です。
